味噌のカビと重石について

味噌

今年の3月から4月にかけて、やたらと味噌を仕込んでいました。材料を変えたり配合を変えたり、はたまた重石があるとかないとか・・・・。

味噌を仕込むときに、重石を「する派」と「しない派」という二つの派閥がありあす。私は「する派」です。というのも、初めて味噌を仕込んだ時に重石をしていたので、その時からいつも重石をしています。

また「天地返し」というかき混ぜる作業を「する派」と「しない派」もいます。

そもそも、なぜ重石や天地返しをするのか・・・?

味噌蔵などでは大きな木桶などに仕込むので、上と下、外側と内側で発酵・熟成の進み具合に差が出ます。その差を少なくするために重石をして、さらに天地返しという作業が行われます。

家庭で仕込む場合はそもそも容量が少ないので、仕込んだ味噌の中での発酵・熟成の差異自体がほとんどないので、重石も天地返しも必要ないと言われています。

ただ、私の経験ではたとえ少量だとしても重石をすると溜まりが上がってきて、その溜まりがカビを防いでくれるだけでなく、味噌の発酵・熟成がうまく進んでまろやかで深く美味しい味噌になってくれるんです。溜まりが多く出たときには、その旨味をたくさん含んだ溜まりを取り出して、醤油または出汁のように使うこともできるのです。

*溜まりとは、味噌から染み出てくる液体のことです。

というわけで、基本的には私は重石と天地返しを「する派」なんですが、これはもうおまじないとか魔除けみたいな感覚です。ただ、周りに「しない派」もいるので、今回いろいろ仕込んでいた時に重石をしない実験をしてみました。そしてその結果が以下の写真です・・・。カビとか苦手な方はご注意ください!

左(または上)から順番に、全体の様子、上から見たところ、カビをめくってみたところです。

この味噌の上には塩を振ってからアルコールを含ませた和紙製の天ぷら用の敷紙を載せていました。この上に重石をしているとカビが生えることはほとんどありません。生えたとしても、縁のあたりにチョコッと生える程度です。でも、これは重石がなかったので、表面にびっしりと生えています。きっと、味噌の仕込みやカビに慣れていない人だと、この怖い状貌に恐れおののいて、ひょっとしたら廃棄処分になってしまうかもしれないですね。

でも、私は普段から「コウジカビ」を相手にしているので、「あら?この子たちはどこから来たのかな~?」って興味津々になるわけです。

まあ今回のカビたちは見るからに可愛くないので、今回はためらうことなく取り除きました。和紙を端をつまんで持ち上げると、カビの下からはキレイな味噌が姿を現します。上の写真の右端の写真がその様子です。

ちなみにこの投稿のトップにある写真は、みりんの搾り粕を落し蓋代わりに載せて重石をしなかったもの。アルコール分が低かったのかカビが生えましたが、こちらはお花のようでとても可愛いカビです。もちろん取り除きましたけど・・・。

ちなみにこちらの写真は同じ時期に仕込んだ味噌で、こちらには上に塩を入れた袋をわざと容器からはみ出すように載せ、蓋を無理やり閉めることで加圧して重石をしたのと同じ状況にしたものです(言ってることわかるかな?)。写真を見るとわかるとおり、溜まりが上がってきていて、カビが生える余地は全くありません。

というわけで私は重石を「する派」で、今後もやっぱり重石をしていこうと思います。

ITO’s Koji & Misoでは個人的にお問い合わせを頂いた方に味噌をお分けすることがありますが、こうした実験で作った味噌をお分けすることはありませんので、ご安心ください。

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